会長代行、貴方の心を全部わたしにください
会長代行は私の履歴書を読み上げ「確かに平凡だ。目を引くものは特にない」履歴書を指ではじき、顔を上げた。
「俺は履歴書や実力だけが評価の全てだとは思わない。いや、そんなものは不要だ。何の役にもたたない」
「えっ!?」
「確かに総代から秘書室社員の履歴書ファイルを手渡されたし、会長から『第1秘書の内から、お前の秘書を選べ』とも言われた。君を選んだことで、バカかとも言われた」
そんな打ち明け話までバラさなくても……私が落ちこんでいると、会長代行はフッと笑った。
「会長代行に着任する前の半月、俺はただ会長や重役相手に社の実状や取引先、進めている商談や事業内容などを把握していた訳ではない」
会長代行は私の足元に目を落とし「椅子に掛けろ」と促した。
私が椅子に掛けるのを確認し、会長代行は再び話し始める。
「俺は履歴書や実力だけが評価の全てだとは思わない。いや、そんなものは不要だ。何の役にもたたない」
「えっ!?」
「確かに総代から秘書室社員の履歴書ファイルを手渡されたし、会長から『第1秘書の内から、お前の秘書を選べ』とも言われた。君を選んだことで、バカかとも言われた」
そんな打ち明け話までバラさなくても……私が落ちこんでいると、会長代行はフッと笑った。
「会長代行に着任する前の半月、俺はただ会長や重役相手に社の実状や取引先、進めている商談や事業内容などを把握していた訳ではない」
会長代行は私の足元に目を落とし「椅子に掛けろ」と促した。
私が椅子に掛けるのを確認し、会長代行は再び話し始める。