会長代行、貴方の心を全部わたしにください
episode 12ー重み
「由樹。貴方、何を考えているの? お祖父さまの申し出を受けるつもりではないでしょうね!?」
詩乃が怒鳴りこんできたのは、総代と話をした数日後だった。
「詩乃、部外者が首を突っ込んでいい話ではない」
「由樹……」
「仕事に穴を開けてまで押し掛けてきて訊ねる話でもないだろう」
「でも!」
「詮索は無用だ。さあ、仕事に戻って」
「……わかったわ」
詩乃は呆気にとらわれたのか、肩を落として引き下がった。
室を出ていく後ろ姿に妙に哀愁が漂っていた。
「会長代行、良かったんですか? あんなにきつく」
芹沢は俺が詩乃を突き放したのが余程、意外だったのか、上目遣いで訊ねてきた。
「言ったとおりだ。人事と会社の機密事項に関わることは、例え身内でも漏らせない話だ。……それに、詩乃には特に話せない」
詩乃が怒鳴りこんできたのは、総代と話をした数日後だった。
「詩乃、部外者が首を突っ込んでいい話ではない」
「由樹……」
「仕事に穴を開けてまで押し掛けてきて訊ねる話でもないだろう」
「でも!」
「詮索は無用だ。さあ、仕事に戻って」
「……わかったわ」
詩乃は呆気にとらわれたのか、肩を落として引き下がった。
室を出ていく後ろ姿に妙に哀愁が漂っていた。
「会長代行、良かったんですか? あんなにきつく」
芹沢は俺が詩乃を突き放したのが余程、意外だったのか、上目遣いで訊ねてきた。
「言ったとおりだ。人事と会社の機密事項に関わることは、例え身内でも漏らせない話だ。……それに、詩乃には特に話せない」