幸田、内緒だからな!
すっと緊張が消えていく。
素敵なお母様。
直紀と結婚して、お母様ともっともっと仲良くなりたい。
「あらいけない。ゼリー冷たいうちに食べて食べて」
「頂きます。……わっ、爽やかで美味しいです」
この頃柑橘系のものが欲しくなる。
昔からよく食べてはいたけど、特に最近は美味しく思える。
食べ終わったわたしは、洗い物だけはさせて下さいと申し出て、食器を洗った。
その後、夕食のお米をセットして、野菜の皮むきを手伝った。
夜8時頃、会長が戻って来られた。
それまでの穏やかな空気が、一気に張り詰めたように感じられた。
「お帰りなさい、あなた」
「うん」
「会長、お帰りなさいませ」
お母さんに合わせて、立ったまま出迎えてしまったけど、本当は手をついてお迎えしないといけなかったのかな。
何だか、わからない事ばかり。
秘書の勉強をして、ある程度の礼儀は身につけたつもりだったけど、会長を目の前にすると、そんな事が一気に飛んでしまった。
「あなた、夕飯は?」
「食べる」
「飲んでいらしたんでしょ?」
「飲んで来ても、いつも母さんの料理は食べているじゃないか」
「そうでしたわね。すぐに用意しますね」
「あ、お母さん、わたしが」
「そう? それじゃあなた、お着替え手伝いますわ」
そう言って、2人は違う部屋に消えて行った。
えっと、えっと、何すればいいんだっけ?
先に食べてしまったわたし達。
それと同じように準備すればいいのよね?
2人が戻る前にと、急いで料理を温め直した。
今日の夕食は、ぶり大根にほうれん草の白和え、生野菜のサラダにお味噌汁。
それからお母さんが漬けた白菜の漬物。
うちでは母が仕事で疲れて帰って来てから作るので、すぐに出来る揚げ物や場合によってはお惣菜という日もあった。
2人だから本当に何でも良かった。
だけど、直紀のお母さんは、きちんと手間を掛けて作ってる。
愛情のこもったこの食事で、直紀も育って来たんだね。
素敵なお母様。
直紀と結婚して、お母様ともっともっと仲良くなりたい。
「あらいけない。ゼリー冷たいうちに食べて食べて」
「頂きます。……わっ、爽やかで美味しいです」
この頃柑橘系のものが欲しくなる。
昔からよく食べてはいたけど、特に最近は美味しく思える。
食べ終わったわたしは、洗い物だけはさせて下さいと申し出て、食器を洗った。
その後、夕食のお米をセットして、野菜の皮むきを手伝った。
夜8時頃、会長が戻って来られた。
それまでの穏やかな空気が、一気に張り詰めたように感じられた。
「お帰りなさい、あなた」
「うん」
「会長、お帰りなさいませ」
お母さんに合わせて、立ったまま出迎えてしまったけど、本当は手をついてお迎えしないといけなかったのかな。
何だか、わからない事ばかり。
秘書の勉強をして、ある程度の礼儀は身につけたつもりだったけど、会長を目の前にすると、そんな事が一気に飛んでしまった。
「あなた、夕飯は?」
「食べる」
「飲んでいらしたんでしょ?」
「飲んで来ても、いつも母さんの料理は食べているじゃないか」
「そうでしたわね。すぐに用意しますね」
「あ、お母さん、わたしが」
「そう? それじゃあなた、お着替え手伝いますわ」
そう言って、2人は違う部屋に消えて行った。
えっと、えっと、何すればいいんだっけ?
先に食べてしまったわたし達。
それと同じように準備すればいいのよね?
2人が戻る前にと、急いで料理を温め直した。
今日の夕食は、ぶり大根にほうれん草の白和え、生野菜のサラダにお味噌汁。
それからお母さんが漬けた白菜の漬物。
うちでは母が仕事で疲れて帰って来てから作るので、すぐに出来る揚げ物や場合によってはお惣菜という日もあった。
2人だから本当に何でも良かった。
だけど、直紀のお母さんは、きちんと手間を掛けて作ってる。
愛情のこもったこの食事で、直紀も育って来たんだね。