幸田、内緒だからな!
「幸田、本社に戻る前に、ちょっとうちに寄ってくれる? 帰りはBコースで」
「かしこまりました」

 Bコース。
 すなわち、最短コースでとにかく早く帰ってくれって事。
 うん?
 これってもしや……

「それじゃ、1時間半経ったら迎えを頼む」
「承知致しました」
「知花、行くぞ」
「はい」

 やっぱり。
 わたしの嫌な予感が当たって、彼は部屋に到着するなり、わたしの服を脱がせにかかった。

「直紀、ちょっと何? まだ仕事中でしょ」
「我慢出来ない」
「あ、ちょっと」

 強引な彼のペースに巻き込まれ、わたしも何だか発情モード。
 彼のものが入り込み、激しく上下する。

「あっ、直紀、激しすぎだってば」
「いいだろ。お前も興奮の度合いがいつも以上に見えるけど?」
「そんな事……あっ、いい。いっちゃう」

 もうダメ。
 理性も何もかも吹っ飛んだ。
 絡まる2人は動物のよう。
 もうどうなってもいい。

 
 事が終わり、2人ともぐったりとベッドに横たわった。
 快感とはまさしく今さっきのような事。
 いつもイカされてしまうけど、今日は特別に良かった。

「直紀」
「うん?」
「愛してる」
「俺も、愛してる」

 それからわたし達は、何事もなかったかのように幸田さんの迎えの車に乗って会社に戻った。
 だけど、何をやってたかなんて、バレバレだよね?

 はずかしい。
 でも、今更無理か。
 彼が運転手になってもう何度目だろう。

 
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