夢をみましょう
そんなことを考えながら走っているうちにもう高校に着いていた。

教室に入ると智紗桃は座席表を見ようと教壇へ向かおうとした・・・

『ザワッ』

『ねえ、あの子マヂかわぃくない??』

『俺、もろタイプなんですけど!!』

クラス中から、そんな声が聞こえてきた。

そう。智紗桃はありえないぐらいにかわぃぃ。

(へぇ、そんなにかわぃぃ子いるんだ♪あとでお友達になろ~っと!!)

本人はまったく気付いてないけど。

智紗桃の席は、窓際の1番後ろの席だった。

「ラッキ~♪」

すぐに自分の席に向かったら、もうそこには男の子が座っていた。

「ねぇ02、そこ私の席なんだけど??」

「はぁ??」

男の子は怖そうな子で、智紗桃を睨んできた。

「だから、そこ私の席なんだってば~!!」

「んなわけねぇだろ。座席表持って来いよ。」

「も~。」

智紗桃は怒りながら座席表をとりに行った。

(最悪!!絶対私の席なのに!!)

「ほらッ!みなさいよ!私この席でしょ!?」

「馬鹿かお前。」

「ほぃ??」

「表の見方、逆。」

「えぇ!?」

よく見てみると、確かに逆だった。

「マヂで~、最悪↓↓」

「クスッ)馬鹿な奴」

そういいながら微笑んだ男の子の顔は、最初の怖い顔と違ってとても優しく見えた・・・。

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