【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
【chapter:1】

▽「柚月のことが、好きなんだ」
















……──私の幼馴染みの話をしようと思う。



「ちょっといつまで寝てるの! 学校遅れちゃうでしょ!」

「ん~、あと五分」

「さっさと起きる!!」



私の幼馴染みはよく寝坊をする。



「ん……ぁ、おはよ、柚月」

「はいはいおはよう。さ、今日は私たち日直なんだから、早く支度して」

「着替え……面倒くさい」

「下で待ってるからね!」



私の幼馴染みはかなりの面倒くさがりやで、



「ふぁあ……眠い」

「こら! 歩きながら目をつぶらない!」



私の幼馴染みは、なんというか、



「はやく歩かないと学校間に合わなくなっちゃうでしょ!」

「…………疲れた、もう一歩も動けない」

「まだちょっとしか歩いてないのに何が疲れたよ! ほらはやくー!」



何事に対しても、全力で無気力だ。


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