【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「──はい、今からテストしまーす!」
それは、いわゆる抜き打ちテストというやつだった。
教科は数学。先生は、隣のクラスの担任の野沢先生だ。
そんな先生の突然の宣告に、クラスのみんなは「えぇえーー!?」と嫌そうな声をあげる。
す、数学の抜き打ちテスト!?
「でも先生! この前テストあったばっかじゃん!」
「そうだよ先生! 嫌だよー!」
「うちの真壁先生にいつも合コンで女の子取られるからって、抜き打ちはねぇって先生~」
「なに言ってんだ! 中間テスト終わりで今が一番気が揺るんでる時期だろ? だからするんだよ! あと合コンのことは一切関係ないからな!?」
お話をしている最中も、先生はテスト用紙を配っていく。
「大丈夫かな……数学は得意な方だけど、まさか抜き打ちだなんて……っ」
「柚月、落ち着いてやれば、きっと大丈夫」
「う、うん、そうだよね」