【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
私の言葉だけで、鬼龍院くんの一番にこだわる考え方が変わってくれるか分からないけれど……
言葉に出さなきゃ、伝わらない。
「鬼龍院くんは、生徒会も入っててクラス委員長もしてて、凄いと思います!」
「……一色クン、僕は小学生の読者感想文を聞かされているみたいだ」
「……フッ」
「ちょっと鬼龍院くん失礼すぎじゃない!? あと彼方、今笑ったでしょ!?」
こっちは真剣だって言うのに!
それになんだか、さっきまで凄くシリアスだったのにギャグになってきてない!?
「と、とにかく! この前だって凄い量の資料を一人でまとめようとしたり、あんなふうに誰も気づかないところで頑張れるって、そんなできることじゃないと思う」
「あれは仕事だからだ。請け負った仕事を全うするのは当たり前だ」
「その当たり前が凄いんだよ!」