【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



「僕をこんな風に育て上げたのは環境と、周りの声だった。両親は仕事で忙しくてろくに会話をしてこなかったからな……もっと早く、二人にも話を聞いておくべきだったかも、しれない」


周りの声に押しつぶされてしまうような、そんな立ち位置。

前に彼方と鬼龍院くんは逆だと言ったが、一週回って同じなのかもしれない。


両親が仕事で忙しくてっていう点においても……やっぱり彼方と鬼龍院くんはの境遇は、かなり似ている。


「それでだ、父は言ったんだ。是非その子を嫁にもらいなさいと!」

「お嫁だなんてそんな私なん…………はい?」


嫁? え?


「待って鬼龍院くん、話が突然変な方向に飛んでしまったような気が……」

「僕は真剣だよ近衛クン……そして一色クン、ここで君に質問させていただくよ?」

「…………」


む、無言の彼方の雰囲気が怖い!!


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