【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「どうやら、僕の恋には障害がいくつも付いてくるらしいな……近衛クン、僕は用事ができたから失礼するよ。また明日会おう」
「う、うん、また……」
まるで嵐が去ったように、鬼龍院くんがいなくなっただけで辺りが静かになった気がする。
「……やっと、どっか行った」
私以上に気を張っていたのか、彼方は安心したように脱力した。
「柚月……さっき言いかけたこと、なんだけど」
「ん? ああ、後で話すって言ってたやつ?」
「うん……えっと、今度の日曜日……空いてる?」
伺うように、彼方は上目遣いで私をじっと見る。
うっ……可愛い。
「今度の日曜日は……うん、大丈夫!」
「ほんと? よかったら一緒に……その……っ」