【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



「鬼龍院には遊園地のことは言わないで。一緒に行きたいって言いかねないから。絶対だからね? 本当に絶対だから」


あの後、こんな風に彼方から口止めをされた。

だから鬼龍院くんがいる時にこの話をしなかったのかと、そこでやっと納得する。


そして迎えたデート当日。


私は……


「お、落ち着け私……落ち着くのよ私……」


めちゃくちゃ緊張していた。


だってちゃんとしたデート……と言いますか、はじめてで、どうしても意識しちゃうと言いますか!


「よ、よし、行くぞっ」


気合いを入れて家を出る。

すると家の前にはもう彼方がいて、私に気付くと「おはよ、柚月」と声をかけてくれた。


「お、おおお、お、おはよう!」


ダメだ、緊張でいつもよりどもっている。


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