【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「……いつもと、髪型、違うね」
「え!? あ、うん……変、かな?」
「ううん、凄く……可愛い」
「……あり、がとう」
嬉しさと恥ずかしさで顔がうつむく。
試しにハーフアップにしてみたんだけど、髪型を褒められることがこんなに嬉しいものとは……。
「じゃあ、行こっか」
彼方はそう言って、私に手を差し出す。
こ、これは……
「は、はいっ」
「柚月、緊張しすぎ」
「うぅっ、だ、だって……」
「……大丈夫だよ、俺も緊張してるから」
「……本当に?」
「本当に」
そんな会話をちょっとずつしながら、私と彼方は手を繋いで、目的地の遊園地へと向かった。