【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「日誌が残ってれば、そうすればこうして柚月が一緒に残ってくれると思ったから……だから、書かなかった」
私を抱き締める腕に力が入る。
「全部、わざと。朝起きないのも柚月に起こしてほしいから。全部全部、柚月に甘えたかったから……だからっ!」
「彼方、ちょっと、く、苦しいっ!」
「あ、ごめんっ」
あまりにも強く抱き締められ、苦しいと彼方の背中を軽く叩く。
すぐに彼方は私の体から離れ、辛そうな、苦しそうな表情で私を見た。
「どうしたの彼方、本当に何があったの? 悩みがあるなら私に言ってよ! 聞くことぐらいしかできないかもしれないけど、話せば楽になるかも……」
「そんなっ……そんな、幼馴染みとしての言葉なんて、聞きたくない」
嫌々と、首を左右にふる。
幼馴染みとしての言葉は聞きたくない?
じゃあ、どんな風に声をかければ……