【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
彼方の腕にしがみつくのはちょっと恥ずかしいと言いますか……でも怖いぃ……。
『ヨウコソ、イラッシャイマシタ……』
「ひぎゃあああっ!?」
突然現れたゾンビのような人形に驚き、勢いで彼方の腕にしがみついてしまう。
……結局、しがみついてしまった。
『──……デハ、ドウゾ、オススミクダサイ』
「ご、ご丁寧にありがとうございますっ」
「……ふふ」
ぶるぶる震える私と、そんな私を見ながら笑う彼方。
「うぅ、笑わなくったって……」
「ごめん……柚月が、可愛すぎて……あ、ちょっとだけ、手離して」
「え? う、うん……」
言われた通り、彼方の腕をつかんでいた手を離す。
するとその腕で私の肩を抱き、自分の方へと引き寄せた。
ちょ、ち、近いと言うか体引っ付いてる!?
「こっちの方が、安心しない?」
「それはそう、だけどっ」
「柚月は俺が守ってあげるから……ね?」