【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



彼方の腕にしがみつくのはちょっと恥ずかしいと言いますか……でも怖いぃ……。


『ヨウコソ、イラッシャイマシタ……』

「ひぎゃあああっ!?」


突然現れたゾンビのような人形に驚き、勢いで彼方の腕にしがみついてしまう。

……結局、しがみついてしまった。


『──……デハ、ドウゾ、オススミクダサイ』

「ご、ご丁寧にありがとうございますっ」

「……ふふ」


ぶるぶる震える私と、そんな私を見ながら笑う彼方。


「うぅ、笑わなくったって……」

「ごめん……柚月が、可愛すぎて……あ、ちょっとだけ、手離して」

「え? う、うん……」


言われた通り、彼方の腕をつかんでいた手を離す。

するとその腕で私の肩を抱き、自分の方へと引き寄せた。


ちょ、ち、近いと言うか体引っ付いてる!?


「こっちの方が、安心しない?」

「それはそう、だけどっ」

「柚月は俺が守ってあげるから……ね?」


< 153 / 416 >

この作品をシェア

pagetop