【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
優しげな、綺麗な笑顔を浮かべる彼方。
その言葉に、表情に、胸がきゅんと高鳴る。
「……っ、彼方っ」
私、今……凄くときめいた。
「……じゃあ、こけないように、しっかり掴まってて」
「うんっ」
彼方に肩を抱きしめられたまま先に進む。
城の中に入ると、変な絵画や今にも動き出しそうな人形、ボロボロに崩れたお菓子等……ダークファンタジーをこれでもかと再現している。
ひときわ大きなお菓子の部屋に着くと、黒いローブを被った魔女が私たちを食べようと襲いかかってきた。
魔女から逃げ延びると次はお菓子の城の女王が追い掛けてきたりと、一息つく暇もなく恐怖が襲ってくる。
そこからなんとか逃げ延び、私たちは出口の扉を開けたのだった。
ちなみにだけれど、やっぱり怖すぎて私はずーっと彼方にしがみついてました。はい。