【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「思ったよりも怖かったね……はい」
「あ、ありがとう……お金」
「別にいいから……それよりも気分とか、大丈夫?」
遊園地の道の端にあるベンチに座り、彼方から飲み物を受け取ってストローに口をつける。オレンジジュースだ。
彼方は私のことを心配してくれているらしく、少し不安そうに私の顔を覗いた。
……うぅっ、ドキドキがおさまんないよぉ。
もちろんお化け屋敷は最後まで怖かったけど、それよりも彼方と密着している方に意識がいってしまい、ずっと胸がドキドキと騒いでいた。
怖いドキドキも少しはあるんだろうけど、きっとこれは……