【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。


「あわあわわわっ……彼方、誰か来ちゃっ」

「大丈夫……今は向こうでパレードやってて、みんなそっち行ってるから……また後でやるみたいだから、その時は見に行こうか」

「……ぅっ、ぁ」


スリスリと頬を撫でる彼方の手が心地いい。

いや待てそれ以前に顔が近い。近いってもんじゃない。


「彼方……っ」


ほら、またドキドキしてきた。

頭もぽわぽわしてきて、まるで溶けてるみたいな感覚になる。


「そんな声で俺の名前呼んじゃダメ……たまらなく、なっちゃうから」

「ひゃ!?」


チュッと耳たぶにキスされる。

ゾクリとした感覚が全身に走り、力が入らなくなる。


「……やっぱり、耳は苦手なの?」

「ん……っ! そ、それダメっ」


耳をふーってされただけなのに、身体中がぶわっと熱くなった。

こ、これ以上は身体が持たないぃい……!


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