【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



「ああ! 近衛様と一色様でございましたか! 司坊っちゃまから常々お話は聞かされております。いつも司坊っちゃまがご迷惑を……」

「別に僕は迷惑などかけた覚えはないが」

「司坊っちゃまは少々無神経であらせられますので」

「その通りだと思います」

「一色クンまで何を!?」

「っと、話が逸れてしまいましたね」


帝さんはクルリと、私と彼方に向けていた視線を鬼龍院くんに戻した。


「とにかく坊っちゃま! 坊っちゃまが途中でいなくなられて私たちとってもビックリしたんですからね!?」

「仕方ないだろう迷ったのだから! 途中、クラスメイトと会ったから一緒にいる心配するなとちゃんと連絡しただろう!?」

「連絡一つもらっても安心できるわけないでしょう!?」


胃が痛そうな顔をする帝さん。

その言い争いは数分続いて、最後には鬼龍院くんが「分かった、もう分かった……説教なら帰ってからにしてくれ」と観念した様子だった。


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