【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「一色クっ……ふ、ふは、ふははそうかそうか! 僕がいたから楽しめたと! 人を楽しませることができるなんてさすが僕!!」
「……そこまで言ってない」
「まあまあまあ、遠慮することはないもっと僕を誉めるがいい!!」
「さ、司坊っちゃまそろそろ本当に帰りますよ。あと帰ったらお説教の続きですから、忘れないで下さいね」
「うっ」
苦い呻き声をあげて、そのままトボトボと帝さんとメイドさんたちとの方に歩いていく鬼龍院くん。
そしてちょっとだけ立ち止まり、私たちに向かって大きく手を振った。
「では近衛クン、一色クン、また学校で会おう!」
「またね、鬼龍院くん」
「……やっと、うるさいのがいなくなった」
「でも彼方、楽しかったんでしょう?」
「…………ちょっとだけ、ね。じゃあ俺たちもそろそろ帰る?」
言いながら、彼方は私に手を差し伸べた。
あ……