【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「ではさっそくだが、これを見てくれ」
鬼龍院くんがいくつかのプリントを机に並べ、今後どうしていくかの説明をしてくれる。
凄い、鬼龍院くんもうこんな計画立ててたんだ……。
それはメニューの候補であったり、椅子やテーブルの配置だったり……これからは私たちも意見を出しつつ、文化祭の準備を進めていくことになる。
放課後に残ることもあるだろうし、お母さんに言っておかなくちゃ。
「そういえば今年も、文化祭当日の放課後に後夜祭が開かれるそうだ。なので椅子やテーブルの片付けは翌日に持ち越しとなる」
「……後夜祭?」
彼方がよく分からないという感じに首を傾げる。
「一色クンは知らないのかい? 去年もやってただろう、グラウンドに特設ステージを作ってそこで歌やダンス等を生徒が……まさか、本当に知らなかったのかい?」
「去年は……俺、なにしてたっけ?」
「確か彼方、教室で寝てた気がする」
一緒に行こうと言っても彼方は動きたくないの一点張りで、結局は私も寝てる彼方と一緒にずっと教室にいたんだっけ。