【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「まあとにかくだ。その後夜祭は生徒会が運営していてな、今年は書記としてそっちの準備も任されているんだが……そうなると、クラスの準備に回ることが出来なくなるかもしれないんだ」
「でもそれなら仕方ないよ! クラスのことは、私と彼方に任せて!」
どんっと胸を叩く。
だが鬼龍院くんはどこか歯切れのない顔で、私と彼方を交互に見た。
「あ……そ、そうだよね、私じゃ頼りないよね……」
「え!? あ、ち、違うんだ近衛クン! 僕はただ……ただ」
ギッと、鬼龍院くんは彼方を睨み付けた。
「僕も近衛クンと一緒に準備がしたいんだ! なんで今回も一色クンとなのかね!? ズルい!」
「へ!? き、鬼龍院くんっ」
「そんなこと言われても……ね、柚月、二人で仲良くしてようね」
すっと、彼方が私の手を握る。
……あっ。