【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
ビクリと肩が揺れてしまう。
それを不思議に思ったのか、彼方は「どうかした?」と私の顔を覗きこんだ。
「……あ、ううん! なんでも、ない」
胸の辺りがモヤモヤする。
手が触れた瞬間、頭の中によぎった『近衛クン、もし本当に君が違うと思うなら、この手を振りほどけばいい』という言葉。
鬼龍院くんのこの言葉が、ずっと引っ掛かって仕方がない。
だけど考えれば考えるほど分からなくなって、苦しくて、目をそらしたくなってしまう。
なんなんだろ、この気持ち……。
「とにかくだ、これから忙しくなると思うが、体調には気を付けつつ共に頑張ろうじゃないか!」
鬼龍院くんのこんな言葉で、今回の文化祭ミーティングは終わりを迎えたのだった。