【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



それはいったいどういう意味なのか。

私には鬼龍院くんが何故そんなことを断言したのかが分からなくて、思わず鬼龍院くんを見つめ返した。


「ではな、近衛クン。また明日」

「え、あ、鬼龍院くん待っ……っ!」


言葉の意味が気になって鬼龍院くんに聞こうと思ったのだけれど、鬼龍院くんはすぐに廊下を曲がってしまい気付けばその姿は見えなくなってしまっていた。


「今の彼方じゃあ、私の力にはなり得ない……?」


なんで鬼龍院くんそんなこと……私の力にはなり得ないなんて、どうしてハッキリ言えるんだろう?

なにか理由でもあるのかな……。


そこまで考えて、ハッと私は我に返る。


って、こんな考え込んでる場合じゃないよ私!


「はやく教室に戻らないと!」


彼方が私のことを待ってくれているかもしれないのだから、早く教室に戻らないと彼方が待ちぼうけになってしまう。


鬼龍院くんの言葉はひとまず置いておくことにして、私は少し足早で教室へと繋がる廊下を進んだ。


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