【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
……さて、もう少しで教室につくというところで、私はある物に気が付いた。
「ん? あれは……」
ふと、前方に可愛らしいハンカチが落ちているではないか。
レースのフリルがついており、ちょっと高級そうな白いハンカチが廊下のど真ん中に落ちていて、例えどんなに急いでようがこれは目に入ってしまうだろう。
拾ってみると、ふわふわと触り心地が凄くよくて、高級感がさらに増した気がする。
あれ? でもこのハンカチ……
「どっかで見たことあるような?」
その時、コツコツコツと廊下を足早に歩く音が聞こえてきた。
そっちに顔を向けると、一人の女の子が何かを探すように下をキョロキョロと見て回っている。
あの子は……
「セレナちゃん?」
「はうぁあっ!?」
声をかけると、突然名前を呼ばれたことに驚いたのか、彼女は大声をあげながら後ろに飛び退いた。
「ご、ごめん驚かせちゃって!」
「っ!? ゆ、ゆゆゆ、柚月、さん!?」