【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



仲良くなったキッカケのハンカチなんだし、もちろん覚えている。

するとセレナちゃんは少し顔を赤くして「覚えてて、くれた……のね」とそっと呟いた。


「セレナちゃん?」

「え!? あ、と、とりあえず、ハンカチ……その、拾ってくれて感謝するわ。こ、この月城セレナがお礼を言ってあげてるんだから、ありがたくこの感謝の言葉を受け取りなさい!」


オーホッホッホ! と絵にかいたような高笑いをした後、ハッとなって今度は焦ったようにあわあわと慌て出した。


「わたしったらまたっ、こ、こんなことを言うつもりじゃあなかったの! その、ついっ」

「セレナちゃん?」

「あ、いやその……、違うの、本当にハンカチを拾ってくださって……あの、それにわたしは、柚月さんともっと……だから」


ゴニョゴニョとセレナちゃんはなにか言っているが、だんだん声が小さくなっていき最後の方がほとんど聞きとれなかった

「ごめんなさい、最後の方がうまく聞き取れなくて」と聞き返したけれど、セレナちゃんはやはりモゴモゴと、どこか恥ずかしそうに小声でなにか言っている。


「セレナちゃん、もしかして体調が悪いとか? 顔もなんだか赤いし……」

「へ!? か、顔が赤いなんて気のせいじゃないかしら!? そうよ気のせいよだから気にしないでちょうだい!!」


そこまで言うと、セレナちゃんは「今がチャンスよ、頑張るのよ、今日こそ言うのよ!」と一人でなにか気合いをいれている様子だ。


「柚月さんっ!!」

「は、はい!?」


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