【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「んん~! 今日も疲れた~!」
「ん、お疲れ様、柚月」
「彼方こそお疲れ様! 調理室の使用許可、無事にとれてよかったね!」
彼方と二人、いつもの帰り道を歩く。
きっとこれからは、もっともっと忙しくなる……頑張らないと!
「……柚月、これからまだ忙しくなるかもだけど、無理だけはしちゃダメだからね。なにかあったら、俺にも頼って?」
「彼方……」
「柚月だけが頑張らないで。一緒に、頑張ろ?」
その優しさが嬉しくて、その気遣いが嬉しくて、でも私は……何故か、うんと首を縦に振れないでいた。
「あー、ありがとね、彼方。でも私、無理なんてしてないよ? 自分ができることを精一杯やってるだけだから」
「……でも」
「それよりも、明日からさらに忙しくなることだし、彼方こそ無理して体調壊さないでよ?」
「柚月も、だよ?」
「私は大丈夫だって! 体力あるし!」