【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
▽「俺……そんなに、頼りない?」
息をのむ音だとか、「カッコいい……」というため息混じりの呟きだとか、いろんな声と音が教室の中に静かに響く。
その中心には彼方がいた。
いつもの彼方じゃない。
服がいつもの制服ではなく、『執事服』を着ているのだ。
も、物凄く……似合ってる。
「サイズもちょうどだな……文化祭が終わるまで貸しておこう。よし、じゃあ次はこのメイド服のサイズの確認を頼む」
仕切っているのは鬼龍院くんで、その隣にはなん着もの執事服とメイド服が。
なんでも、鬼龍院くんの家のものらしい。
確かに、前に遊園地で見たメイドさんが着ていた物と同じメイド服だ。
見た目も凄く高級感と言うか、生地とかちゃんとしてて品があると言うか。