【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「前、なにか言いかけてそのままだったよね、もしかしてそのこと?」
「へ!? あ、そのこともあるのだけれど……その前に」
「ハンカチ、拾ってくれて……改めて、あ、ありがとう!」と、セレナちゃんは少しぎこちなく言った。
「私は、たまたま拾っただけだから」
「たまたまだろうが、なんだろうが……見つけてくれて、拾ってくれて……本当にありがとう」
そして深々と、セレナちゃんは頭を下げた。
「そ、そんな頭なんて下げないでよ!」
「感謝を表してるだけよ! そ、それに、この前も言ったけれど私が感謝の言葉を言ってあげているのだから、素直に受け取るべきじゃなくて!?」
そこまで言って、ハッとなるセレナちゃん。
「あ、ご、ごめんなさ……また上から目線に……わたしったら、そ、そういうつもりじゃあ」
あわあわと慌てた様子のセレナちゃんを両手を、落ち着かせるようにギュッと握った。
小さくて白くて、本当にお人形さんのようだ。