【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
拗ねたように、不満そうな顔を見せる彼方。
まさか、夢じゃなかったの!?
「え、えっと、あの……わ、私も、彼方のことはもちろん……!」
「幼馴染みとしての返事は、求めてないよ」
「うっ」
本当に、本当に彼方は、その……
私の、ことを?
「好き、大好き……幼馴染みとしてじゃなくて、柚月が、本当に」
顔がどんどん近づいてくる。
え、ちょ、ちょっと待──っ!?
「柚月ちゃん大丈夫~? 彼方も柚月ちゃん困らせてないで早く起きてきなさ~い!」
突然聞こえた彼方のお母さんの声と、こちらに近づいてくる足音。
この状況を見られたらいろいろ誤解が生まれるのでは!?