【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
ガララーッ! と勢いよく扉が開いたと思ったら、そこにはセレナちゃんが仁王立ちで立っていた。
セ、セレナちゃん!?
「どうしたのセレナちゃん!?」
「いきなりなんだ、騒々しい」
驚きで目を丸くする私。
それとは打って変わって、鬼龍院くんは顔をしかめた。
「誰かと思えば月城クンじゃないか」
少し呆れたように言うその口調は、どこかセレナちゃんのことを知っている様子だった。
「今は文化祭の大事なミーティング中だ。今すぐ出ていってくれないか」
「嫌よ」
ドスのきいた低い声で、鬼龍院くんを睨みつけるセレナちゃん。
こんな迫力のあるセレナちゃんはじめて見た……。
「例え鬼龍院財閥の跡取りだろうと関係ないわ。今はただ黙って、そこで静かに大人しくしていることね」
「静かにするのは君の方だろう? 邪魔だから出ていってくれ」
「もう、うるさいわねぇ! ワタシ別にあなたに用事があるわけじゃないのだけれど!? ワタシが用事があるのは、そこの二人よ!!」