【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
【chapter:4】
▽「……ごめんね、柚月」
「あら柚月さん、ごきげんよう!」
「お、おはようセレナちゃん」
「……くっ、今日も仲良く朝から登校……見せつけてくれるわね」
ギリッと歯を噛みしめ、セレナちゃんはうらめしそうに私と彼方を見る。
セレナちゃんが突然私と彼方の仲を引き裂くと宣言して数日、今日もセレナちゃんは教室の扉の前で腕を組み、私と彼方が来るのを待っていたようだ。
「なんだ、本当にこの二人を引き裂くつもりなのかい月城クン?」
今日は校門のところで鬼龍院くんとも出会い、こうして三人で教室にやって来たわけだけれど……
「あらあら鬼龍院財閥の跡取りお坊っちゃまごきげんよう。でも残念ながらあなたには全く興味がないの。だから気安くわたしに話しかけないでくれる? って、それよりも」
ふん、とセレナちゃんは鼻をならした。
「これからとことん邪魔してあげるから、覚悟しておくことね!!」
おーっほっほっほ! と、セレナちゃんは見事な高笑いを披露したのだった。