【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
〝……──柚月さん、そして一色彼方! あなたたち二人をこの月城セレナが引き裂いてあげるわ!!〟
そう高らかにセレナちゃんが宣言した時のことが、ふと頭の中によみがえる。
「この二人を引き裂く? どういうことだ?」
その時、そんな質問をしたのは鬼龍院くんだった。
セレナちゃんは腕を組み、ふんと鼻をならす。
「そのままの意味よ。二人の仲を引き裂くの。もう口も交わせないぐらい、引き裂いてしまうのよ!」
「セレナちゃん、なんでそんなこと……」
「……ごめんなさい柚月さん。でもこれは、わたしの中でもう決定したことなの」
セレナちゃんは真っ直ぐと、力強く私を見据える。
「いや待て、なぜ月城クンがそんなことをするんだ? そして引き裂くとは具体的にどうやって?」
鬼龍院くんのツッコミに、セレナちゃんは一瞬「うっ、それは」と言葉を詰まらせた。