【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。


「ほ、方法ならこれからいくらでも考えるわ!!」

「月城クン、それをなんて言うか知ってるかい? 無計画と言うんだよ」

「う、うるっさいわねあんた!!」

「そのすぐに怒鳴り散らすところも直すべきだな」

「くううっ、もう本当に黙ってなさいよこの一番バカ!! って、そういえば二番に転落しちゃったんでしたっけ。ご愁傷様~おほほ」

「なっ、君はいつもそうやって……!!」


鬼龍院くんとセレナちゃんが言い争いをはじめてしまい、私はどうすることもできなくてただその光景を見守る。

すると……


「ミーティング、はじめないの?」


冷静な彼方の声が、教室内に響き渡ったのだった。


「はやくしないと暗くなるから……柚月、疲れてるだろうし……はやく家に帰してあげたい、から」


そんな彼方の言葉に鬼龍院くんは「すまない、確かにその通りだ」と席に座り、セレナちゃんは「……仕方ないわね」と近くの椅子に座った。


あれ?


「セレナちゃんは帰らないの?」

「え!? あ、その……一人で下駄箱まで行くのが嫌いなの。誰も居ない廊下って、ほら、ちょっと寂しい気持ちにならない?」

「いてもいいが邪魔だけはしないでくれよ月城クン」

「分かってるわよ! いちいちうるさい男ね!!」


こうして、その日最後のミーティングを終えたわけだが……


結局、セレナちゃんがどうして私と彼方の仲を引き裂こうとするのか、理由は分からなかったのだった。


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