【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



「あら、柚月さん今日もパンなの? もしかしなくてもパンがお好きなのかしら?」


お昼休み、私と彼方と鬼龍院くん……そしてセレナちゃんとでお昼ご飯を食べる。


昼休みになった途端、セレナちゃんが自分の椅子とお弁当を抱えて来た時は驚いたけど……


「たまにお弁当なんだけど基本はパンかな。売店のパン、美味しいから」

「売店……そうね、たまには庶民の味を楽しむのもいいかもしれないわね。今度、売店に寄ってみるわ」

「で、なんで月城クンがここにいるんだい?」


じとーっとした目で、鬼龍院くんがセレナちゃんを横目で見た。

この異様な雰囲気と威圧感に、クラスのみんなは私たちを遠巻きに見つめている。


「この二人を引き裂くためよ!」

「それが一緒にお昼ご飯を食べることと、いったいどういう繋がりがあるのか僕にはさっぱり分からないが」

「そ、それは……ふ、二人が会話しようとしたらとりあえず邪魔してやるのよ!!」


なんてセレナちゃんは言うが、先ほどから彼方は無言でパンを食べている。


どうしたんだろう彼方?

なんだか最近、ちょっと様子がおかしいような?


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