【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
そのセレナちゃんの言葉で、私の考えがほぼ確信に変わる。
私と彼方を恋人同士にさせたくない。
私と彼方の仲を引き離したい。
そうかセレナちゃんは、
彼方のことが好きなんだ。
「柚月、どうかした?」
「へ?」
心配そうに、彼方が私の顔を覗きこむ。
「なんだか、思い詰めたような顔してた、から」
「そ、そうかな? 気のせいだと思うよ」
「……そっか」
妙にあっさりと私から離れると、彼方はまたパンを食べだす。
この時、セレナちゃんが「なにわたしに許可なく勝手に喋っているのかしら!?」と席を立ち上がったことに視線がいってしまい、
鬼龍院くんが彼方を睨み付けていることに、私は気付かなかったのだった。