【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「ご、ごめんなさい柚月さん。わたし、別に準備の邪魔をしにきたわけじゃないのよ? その……なにか柚月さんを手伝えることとかないかしらー……なんて」
「あれ、でもセレナちゃんのクラスの準備は?」
「わたしのクラスは大丈夫よ。キャンドルとアクセサリーの製作体験を教室でおこなうのだけれど、そこまで大掛かりな準備はないの。もう全部終わったわ」
「キャンドルとアクセサリー! うわぁ、私も行ってみたいなぁ!」
「あ、あらそう? まあ時間があれば来てもらっても……別に……その……」
「うん! こっちの仕事が終わり次第、すぐ行くから!」
「……ま、まあ来るというなら、待っててあげてもいいけど?」
ちらりと私を横目で見ながら、どこか照れたように頬を赤くしているセレナちゃん。
「文化祭、凄く楽しみだね」
「まあ、そうね。たまにはこんな庶民の催しも……」
ふっと、セレナちゃんは言葉を途切れさせた。
そのままじっと私の顔を見つめる。