【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「なんでわたしがあなたの指図を受けないといけないのよ!? わたしは柚月さんの手伝いに……!」
「今君ができる手伝いがこれだと言っている。これは後で近衛クンがやると言っていた仕事だ。君がやってくれれば、近衛クンの負担は激減するだろう」
「分かったわ。月城財閥のプロ並みのフキン捌きを見せてさしあげましょう」
「セレナちゃん本当にいいの? 別に私が……」
その時、同じクラスの女の子が「ねぇねぇ近衛さん!」と私に声をかけた。
「お花を飾ろうと思ったんだけど、花瓶ってどこにあるか知ってる? 確かこの前、近衛さんが花瓶洗ってたよね?」
「あ、うん、花瓶は教室の後ろに洗って置いてあったんだけど持ってきてなかったっけ?」
どうやら持ってきてなかったようだ。
よし、ここは私が……
「近衛さん、テーブルクロスが一枚足りないみたいなんだけど」
今度は男の子が、困った顔をして私に言葉をかけてきた。
「え!? じ、じゃあ今から被服室に行ってもらってくるよ! それで、その」