【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「おや近衛さんに一色くん、そこでなにを……っと、その段ボールと紙袋は?」
見るとそこには真壁先生がいて、今私が抱えた段ボールと下に置いてある紙袋を不思議そうに見ている。
「真壁先生! これ紙コップと紙皿が入ってるんですけど、予想以上に重たくて……」
「では台車を持ってきましょう。それならきっと運びやすいですよね」
先生の提案に、私は「そっか、台車って手がありましてね!」といったん段ボールを下に置く。
「近くの倉庫にあったと思うので、取ってきましょう。近衛さんと一色くんはちょっとここで待ってて下さい」
「先生に運ばせるわけにはいきませんよ! 倉庫からは私が台車を運びますから!」
「宜しいのですか?」
「もちろんです!」
倉庫へと歩き出す先生の後を付いていくようにして、私は彼方に背を向ける。
「柚月……っ」
「じゃあ彼方、私、台車持ってくるから!」
「ちょっとここで待っててね!」と言って、私はその場から離れたのだった。