【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「誰かに私を認めてほしかった。ここにいてもいいよって、誰かに言ってほしかった。私は無能で役立たずでなんにもなかったから!!」
「そんなことない、柚月はっ」
「私のなにが分かるっていうの!?」
繋がれたままだった彼方の手を、無理やり振りほどいた。
「私の気持ちなんて彼方に分かるわけない! ずっとみんなに必要とされて褒められて頼られて……彼方は私とは、全然違う、からっ」
思いが溢れる。
自然と、涙も溢れていた。
「私にはなにもなかった……彼方とは違って、私にはなにもなかった」
私を見てほしかった。
欲を言えば、
私だけを、見てほしかった。