【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「ねぇ、もう分かったでしょ? 私が彼方の傍にいたのは、全部自分のためだったってことが」
私は、彼方を救おうとしたわけではない。
「全部、全部、彼方と一緒にいたのも自分の居場所がなくならないために、ただそれだけの理由だった」
私は、誰かを救えるほど強い人間ではない。
「柚月……っ」
「自分勝手で最低で、私なんて彼方の隣にいるべきじゃなかった。でも、それでも、誰にも見てもらえないのは凄く寂しいから……だから彼方から離れられなかった!」
ただの私のワガママで、私は彼方の隣に居続けた。
本当にどこまでも、どうしようもない弱い人間なのだ。
「彼方が好きになった私は……全部、偽物だから。本当の私は自分のことしか頭になくて、弱虫で臆病でっ」
こんな私は、
「こんな私は、彼方に、好きになってもらう資格なんてないっ!!」