【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「俺たちも、帰ろうか」
「……うん」
今はまだどうすることもできなくて、どこかまだモヤモヤした気持ちを引きずったまま、彼方と一緒に家へと帰る。
鬼龍院くんのこと、セレナちゃんのこと……そして彼方のこと。
考えなきゃいけないことはたくさんあって、でもまだちょっと混乱したままの私の頭は、どうにもうまく働いてくれなくて……。
気付けばもう、家の前についていたのだった。
「あの、か、彼方!」
「ん? なに?」
「その……えっと」
ダメだ。やっぱりまだうまく考えがまとまらない。
そんな私に気付いたのか、彼方は私を落ち着かせるように、私の頭を撫でた。