【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「そうだ、この前柚月が見たいって言ってた映画借りたんだ。明日は学校もお休みだし……一緒に見よ?」
「え、ほ、本当に!? 見たい!」
たぶん彼方が言っているのは、前に私が見たいと言っていたホラー映画だろう。
怖いって評判で、凄く見たかったんだー!
……って、思わず見たいって言っちゃったけど、こんな調子で彼方と映画なんて。
「柚月が見たいかなって思って、借りてきたんだ。柚月の嬉しそうな顔が見れて、良かった」
ふにゃりとした彼方の可愛らしい笑顔。
私のために、借りてきてくれたんだ……。
「明日、うちで用意してるから……何時ぐらいがいい?」
「え、えーっと……か、彼方、やっぱり私」
「俺と映画、見るの嫌だ?」
「嫌じゃないよ! あの、じゃあお昼ご飯は食べて一時ぐらいに行くね!」
「……分かった、待ってる」
そんな嬉しそうに待ってるなんて言われたら、もう断れないよ……。