【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「ちょっとだけ休憩。まだまだ忙しくなるのはこれからだから、鬼龍院が少し休憩してこいって……さっきまで調理室にいたんだけど、柚月が帰ってこないから探しにきた」
「そう、なんだ……ありがとう、助かりました」
言いながら、彼方から紙皿を受けとる。
私のことを、探しに……。
「で、でもまあ確かに、休憩しないとキツいよね。なんかいろんな女の子から話し掛けられてたし……ご指名とか入ってたし、それにっ」
「柚月」
「……はい」
「ヤキモチ、やいてる?」
「……うん」
「そっか……ヤキモチ、やいてくれるんだ」
「うぅ……っ」
よしよしと、顔を赤くしている私の頭を撫でる。
もう彼方ってば、そんな嬉しそうな笑顔して……くっ、カッコいい!
「と、とにかく、私は紙皿持ってかないとだから」
「じゃあ、俺ももう行く。さっき調理室で、軽い食事もさせてもらったし……それに、柚月の顔見たら疲れ飛んじゃったし」
「そ、そっか。じゃあ、無理しない程度に頑張ってね」
「柚月こそ。……あ、ちょっと待って」