【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
最初、うちのクラスの喫茶店に寄ろうとしたけどほぼ満席で、残念ながら私は執事彼方に接客をしてもらうことは叶わなかった。
まあでも、ほら、ね!
「おでこ、チューしてくれたし……」
思い出して、また自分の顔が熱くなる。
そんな顔をパタパタとあおぎながら私が向かったのは、先日「すぐ行くね!」と私が約束したセレナちゃんのクラスだ。
外には可愛らしい看板で『キャンドル・アクセサリー製作体験』と書いてあり、横の机にサンプルで作られたものが置いてあった。
「わっ、可愛い」
ピンクやオレンジ色のキャンドルに、グラデーションやマーブル色の鮮やかなキャンドルまである。
お洒落なブレスレットや、他にもいろいろ……
見てるだけで乙女心を鷲掴みにされた気分だ。