【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「近衛さん!!」
「はい!?」
女の子が、ガッと私の両肩をつかんだ。
「うち、寄っていきますよね!?」
す、凄い迫力の客引きだなぁ……。
「はい、寄っていきますっ」
「近衛さんうち寄ってくれるって!」
「よっしゃナイス! さあ、気が変わらないうちに俺に付いてきてください近衛さん!」
何故だかかなり注目されながら教室に入ることになる私。
ワケも分からず教室に入るとお客さんは沢山いて、大人から子どもまでみんな楽しそうキャンドルや可愛らしいアクセサリーを作っている。
その教室の奥に、セレナちゃんが座っていた。
「お嬢、近衛さんをお連れしました」
男の子が片膝をつき、セレナちゃんに頭を下げる。
「あ、あああ、ありがとうですわ二人とも! 褒めてさしあげます! 引き続き客引きの方をを頼みますわね!」
「月城さん、じゃあ後は頑張ってね! ほらさっさと仕事に戻るよー!」
「分かったから引っ張るなって、おい!」