【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



「明日楽しみだね、柚月」

「う、うん! 映画楽しみ!」

「映画もだけど、ね? 柚月と明日も一緒にいれるから」

「彼方……」

「俺はただ、柚月と一緒にいたいだけ、だから」


お互いの家の前につく。

糸がほどけるように、彼方と私の手が離れる。


「でも、柚月が嫌なら嫌って言って。柚月がダメって思ったら、ダメって言って」


とても、とても、優しい声。


「柚月が好き。だけど押し付けたいわけじゃない。柚月は嫌とも言ってくれないから、俺……調子にのっちゃう」


< 31 / 416 >

この作品をシェア

pagetop