【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
途中で買ったフランクフルトやたこ焼き、ワッフルやたい焼きを、二人で空いていたベンチに座って食べる。
話ながら食べているとあっという間に時間は過ぎて、近くにあった時計を確認すると、交代までの時間は……
うん、大丈夫、もうちょっとだけ時間はある。
「……でも、柚月さんと一緒に回れて楽しかったわ」
「こちらこそ凄く楽しかったよ!」
そう言うと、ふわりとやわらかい笑顔を見せて、どこか安心したようにセレナちゃんは私を見つめた。
「……よかった。柚月さんが楽しそうで。柚月さんが、また笑ってくれて」
「セレナちゃん……」
「一色彼方の、おかげなのかしら?」
笑顔のまま、私に聞いてくる。
「うん、彼方のおかげで、今こうして笑えてる。でもセレナちゃんと鬼龍院くんのおかげでもあるから!」
「……そう。柚月さんの役にたてたならよかった。……それで、なのだけれど」
「一色彼方とは、今はどういう関係なの?」と、セレナちゃんは続けて私に質問を投げた。