【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。

「セレナちゃん、私は彼方に自分の居場所のために傍にいてほしいとは、もう思ってない」



彼方に対しての気持ちを自分自身に問い掛けても分からなかった。

『これは全て依存の延長じゃないか。恋愛感情ではないんじゃないか』

そんな考えが頭をよぎって、ちゃんとした答えが出せなかった。


だけど今、ハッキリと分かった。



「私、もう居場所なんていらない。代わりに、彼方の全部が欲しい。彼方の気持ちを……言葉を、全部を私に向けてほしい」



彼方に居場所をもらっても、そこに気持ちがなければ意味はない。

彼方の隣にいさせてもらっても、その気持ちが他の人に向いてたら嫌だ。


昔の私なら、きっと二人の仲を応援していただろう。それどころか手助けをしていたかもしれない。


いい人だと思われたくて、役に立ちたくて、そんなことをしていたかもしれない。



でももう違う。もう昔の私とは違う。



ああ、やっと分かった。

セレナちゃんに問われて、やっと自分の気持ちを、ちゃんと理解してあげられた。