【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「……そう。柚月さんの気持ちはよく分かったわ。もしかして今気付いてしまったのかしら?」
「う、うん……今、気付いた」
「わたしが気付かせてしまったのね……気付かなければよかったのになんて、今さら遅いわね」
綺麗な青空を見上げ、寂しそうな笑顔をセレナちゃんは見せる。
その横顔に、キュウッと胸が締め付けられるような感覚になって。
「ごめんセレナちゃん。こんな今までハッキリ自分の気持ちも分かんなかったやつに……セレナちゃんの気持ちを考えれば、引き離してやりたいって思っちゃうよね」
他人から見れば本当に酷いやつだ、私は。
なにを言われても言い返す資格なんてないんだろう。
「柚月さん?」
「だってそうだよね。私なんて幼馴染みって立場を利用して、ずっと彼方の隣を独占してたんだし」
それでももう、自分の気持ちに気付いてしまったから。
「ゆ、柚月さ~ん……?」
「こんな……こんな鈍感な私でごめんなさい。セレナちゃんだって彼方のことを……私みたいなのが隣にいて許せないよね。でももう、自分の気持ちに嘘はつきたくなくて!」
「ちょ、ストップ! ストーップ!!」