【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



「もちろん最初は一番を一色クンに取られて悔しかったし、君と仲良くする気はなかったんだが……こんな素敵な毎日があると、一番だなんて決められないぐらい素敵な日々があると、教えてくれてありがとう」

「こちらこそ、ありがとう鬼龍院くん」

「ああ……近衛クン、そして一色クン、僕と出会ってくれて本当にありがとう」


「僕は今、毎日が輝いてるんだ」と言った鬼龍院くんの目は、少し潤んでいた。


彼方も、黙って鬼龍院くんの言葉を聞いてはいるが、ちょっと泣いてしまいそうな表情になっている。

セレナちゃんも、腕を組んでそっぽを向いているが、その目は鬼龍院くんと同じように潤んでいた。


「いや月城クン、なんで君が泣きそうな顔をしているんだい?」

「うるさいわね! だって、あなたがそんな笑顔を見せるなて……昔は、そんなっ」

「月城クン、君こそ前に比べれば随分と良い顔をするようになったじゃないか」


〝昔〟は……?

それに、前に比べればって……



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